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ウィーン滞在

「ウィーンはいい所だった、一度行ってみた方がいいよ」
一緒にドイツ語学校に通っていた友人の一言がきっかけで、ドイツを巡った旅の締めくくりに訪れることになった。

当時、南ドイツ最大の湖、キームゼー湖畔の街プリーンでドイツ語学校に通っていた。
カリキュラムが終わり、約一ヶ月かけてドイツを旅した後、再びプリーンを通ってザルツブルクからウィーンへ向かったのだった。

ザルツブルクからはジャーマンレイルパスは使えないので、ウィーンまでの切符を買い求め、IC(インターシティ)に乗車した。窓口では、大人一人ウィーン往復で、割引切符はあるか? と訊ねたがないとの事だった。

乗込んだ車輌は、二人掛けの座席が並んでいるタイプではなく、如何にもヨーロッパを彷彿とさせる、アップタイルバヴァーゲン(6人部屋の個室がいくつか並んでいるタイプの車輌)だった。オーストリアの車輌の色は、黒と赤の重厚かつ洗練された色合いで、ドイツのものより、よほどカッコいい。

ザルツブルクはその名が示すように山に囲まれた小さな街だが、出発して20分も経つと、平野になり後は単調な田舎の景色が広がるばかりである。
ウィーンも近くなった頃、映画に出てきそうな、いかにもといった感じのおばあちゃんが部屋に入ってきた。習いたてのドイツ語で一通りの会話をした後、
「手を見せてごらん」
といわれ、右手を差し出すと、

「あなた、きれいな手をしているね。でもあなたの手は、まだ働くって事を知らない手だね」

と言われた。なんか全てを見透かされているようで、とっても恥ずかしかった。あの時の言葉は今でも忘れられない。

「ヴィーン ヴェスト バンホーフ、ヴィーン ヴェスト バンホーフ」
繰り返し、到着の案内が構内に響く。
ウィーン西駅はミュンヒェン中央駅と同じく頭端式のターミナル駅だ。
シュテファン教会のある中心部からは、多少離れていて、地下鉄で4つほどの距離がある。

初めて訪れる街は、なるべく自分の足で歩きたいものだから、宿探しをかねて重い荷物を肩に食い込ませながら、中心街へ向かって歩き出した。
今までは、なるべく小さな町を選んで旅をしてきたせいか、ウィーンはとても大きな街だった。
ミュンヒェンよりも大きな街に感じられた。
ウィーン西駅のインフォメーションで手に入れたホテルリストを片手に探すが、これだけの規模の街ともなるとホテル代も高いところばかりだ。

中心街への方向から少し外れた裏通りにペンション「エステルハージー」はあった。
ウィーンで活躍したハイドンと関係のありそうな名前のこのペンションは、エレベーターの無いアルテヴォーヌング(戦前の建物)で、階段をかなり上がったところに受付があった。

二、三度声をかけると青白い顔の男性が現れた。表情のない能面のような人で、ちょっと怖くなったが「5日ほど滞在したいので部屋はあるか?」
と訊くと
「ええ、ありますよ」
と無表情に答えた。そして、宿泊カードに名前やパスポート情報を記入して渡すと
「パスポートを預かります」
と手を差し出してきた。今まで泊まったホテルでは、一度もパスポートなんて預けたことは無かったので、内心かなりドキドキしてしまったが、まっすぐ見つめている視線に押され、パスポートを恐る恐る渡した。受付の男性はさも当然のごとく受け取り、カギを持って部屋に案内された。
長い廊下にドアが均等にいくつも並んでいる。そのうちの一つを開け、一通りの説明をした後「ごゆっくり」と言って部屋を出ていった。
ワンルームのその部屋には、窓の下に蛇腹の暖房が備え付けられ、あとはベットと小さなクローゼット、それに洗面台があるだけだった。
まだ、四月の頭だというのにベットの上には毛布が一枚のっているだけだった。

「…今まで安い所に泊まってきたが、これはヤバイトところに来てしまった、もう少しお金を払って別のところにすればよかった」

と思ったものの、すでにあとの祭り。あのヘビの様な気味の悪いフロント氏に
「不気味なのでホテルを変えたい」
なんて言おうものなら、裏でつながっている秘密結社に連絡されて、もう二度と太陽の元に出られなくなりそうだ。パスポートをよこせ、と言ってきたのはそういう事だったのか!
などと、想像をたくましくしてしまい取りあえず一観光客として大人しくしていよう、という結論に至った。荷物を置いて一息ついたものの、一刻も早く外に出たくなりデイバックを片手に階段を下りていった。

身軽になって歩く街並みは楽しい。
すでにテラスを出しているカフェもある。コーヒーやワインを片手にリラックスしているのを見ると、こちらもゆったりとしてくる。
やがて目の前にウィーンのシンボル、シュテファン教会が建物の陰から忽然と現れた。

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