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給 水 塔

「お前、このこと絶対 誰にも言うなよ!」

目の前の巨大な円筒形のコンクリート構造物は、本当に不気味だった。
それは、自転車を漕いでいる間に、だんだんと姿を現し始めていた。

友達は得意げにチャリを停め、金網を乗り越えた。オイラもあわてて乗り越え、後に続いた。
入口ドアのガラスは全て割れ、中が見える。もちろん電気などはとっくに切れていて、窓明かり以外、何も無い。三方にある窓も赤錆びた鉄枠を残して、がらんどうだった。
薄暗い室内の壁越しに階段が見え、螺旋状に上に続いている。
入口のドアを引っ張ってみたがビクともしない。外側をぐるりと回って、窓枠の隙間から忍び込んだ。
一人だったら、絶対に中へなんか入れない。
中は円筒形の空間が広がっているだけで何も無い。ただ、ちょうど真ん中に上から緑色の鉄管が通っていた。
上へと続く階段を登りはじめた。手すりの無い階段はコンクリートで、一歩ずつ足音がこだまする。心臓の鼓動は最大限だった。
2階は、下の階と全く同じような造りだった。また螺旋階段があり上へと続く。
果たして、3階もまったく同じだったが、階段はもうこれ以上無かった。ただ、壊れたドア越しに小さなテラス、というか2~3人並べばいっぱいのベランダが付いてた。恐る恐るそこに出てみると、今にも崩れ落ちそうな勢いで、コンクリに亀裂が入り、鉄柵は錆び何箇所かブラ~ンと宙に浮いている。
小学二年で怖いもの知らずだったからか、今思えばよくぞこんなところに立ったものだ。
建物はもっと高かった筈なのに、これより上へは行けないのか?と、ふと見上げると、屋上へと向う梯子が続いていた。
これまた近づく者を寄せ付けないかのごとく、見るからに錆び付いている。しかも、上まで妙に遠い。梯子を握ってみると、赤錆がボロッと手に付き、とてもじゃないが昇れない。
オイラを連れてきた友人も、さすがに上には行かなかった。
西日をうけて、二人の影も長くなってきた。

自転車を漕ぎながら、友人は「どうだ、すごかっただろう」と得意になり、「他のヤツには絶対に内緒だぞ」と釘を刺された。

数日も経たないうちに、別の友達を従え、得意げに螺旋階段を登るオイラの姿があった。
そして3階まであがると「お前、この場所は絶対に秘密だぞ」と、彼に釘を刺すのを忘れなかった。


ずいぶん後になって、その建物は、「日本陸軍技術研究所」所有の給水塔だったという事が判りました。おそらく3階と屋上との間に貯水槽があり、各階の真ん中を伝っていた緑色の鉄管内を水が流れていたのでしょう。
更に、老朽化が進んだため2004年に既に取り壊されてしまったようです。

給水塔2はコチラ


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